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新型出生前診断について

妊娠初期に出生前診断を受けて、胎児の異常の有無を知る方法があります。2013年4月1日に日本医学会が新しい出生前診断を認定した15施設を公表しました。今までの出生前診断との違いや問題点、検査に対する妊婦の気持ちをわかりやすく紹介します。

なお「新型出生前診断」という言葉は、ニュースなどでわかりやすく伝えるために使われている言葉で、正確には「無侵襲的出生前遺伝学的検査(むしんしゅうてきしゅっせいぜんいでんがくてきけんさ)」などと医学的に呼ばれるそうです。

血液検査による新型出生前診断の流れ

新型出生前診断

今回新たに導入される出生前診断の方法は、母体の血液から胎児の染色体異常を発見する方法です。2011年にアメリカで21トリソミーを発見する画期的な方法として取り上げられ、その後は18トリソミー、13トリソミーと追加されました。

今までは羊水検査が染色体異常を検査する方法として適用されていましたが、羊水検査は流産のリスクがぬぐえないのが問題でした。その点では新しい血液検査は腹部に注射をするわけでもないのでリスクが低くなります。

日本医学会が発表した医療機関では、カウンセリングのうえで妊婦の血液約20mlをアメリカの検査会社に送り、胎児の染色体異常の有無が高精度にわかることができます。費用は羊水検査よりも高額になって20万程度だそうです。

すでに新型出生前診断が始まった東京都の昭和病院では、予約していた妊婦が5人訪れているそうです。さらに4月1日だけで何十件もの問い合わせが殺到したことから、妊婦の出生前診断に対する興味の高さが判明しました。

トリソミーとは

トリソミーとは染色体の異常で分類される言葉です。ヒトの染色体は通常は2本セットです。これが何らかの原因で1本になっていることを「モノソミー」、3本になっていることを「トリソミー」と呼びます。

数字は18番目の染色体が3本になっていると「18トリソミー」、21番目が3本だと「21トリソミー」と判別されています。全体的に21トリソミーが多いそうです。次いで18トリソミーが多く、確率としては500人に1人だそうです。

染色体がどうしてこんなに重要かというと、染色体が私たちヒトの体を形作る細胞全てに影響しているからです。言葉を変えると、染色体があるから私たちに男女の判別やそれぞれの特徴が現れるのです。

もし染色体異常がわかったらどうする?

もしも出生前診断で染色体異常がわかったら、うまれてくる赤ちゃんに何らかの障害がある可能性があります。これに対して、母親としてどう考えるかが1番難しいところです。

産まれてもいない赤ちゃんに対して、検査で生死を判断したり人道的な側面からみると反対意見もあります。これまでは羊水検査で流産のリスクを背負ってしまうことへもマイナスイメージがありました。

その逆で、日本ではまだ始まったばかりですが、高齢出産が増えている現状では必要だと考える意見もあります。高齢出産になるほど染色体異常の確率が上がるからです。わかっていれば出生時に対応できる産院を考えることができる等、けっして悪いことばかりではないという意見もあります。

賛成意見も反対意見も、母体と胎児の立場にたって訴えているので、どちらも正しく間違っていないのです。だから、出生前診断についての賛否両論はいつまでも終わりません。

とても難しい問題ですが、それぞれの家庭で考える必要があります。染色体異常の確率から考えると珍しいと思ってしまうかもしれませんが、誰も望んで染色体異常になるわけではありません。

妊婦自身や周囲の決断は尊重されるべきですが、妊婦が出生前診断だけで今後の妊娠生活を悲観したり、周囲から中絶を進められてしまうことは悲しいことです。染色体異常がわかった後の結論に至るまでに、妊婦はとても辛い選択肢を選ばなければいけません。

妊娠も出産も自己責任?

日進月歩の出生前診断への賛否両論には、ダウン症児にたいする偏見や好奇の目を、世間全体で改めることが必要だと考えています。けっきょく、こうした周囲の対応が「ダウン症児を育てにくい環境」にしてしまいます。

最近では「自己責任」ですべて片付けてしまう考えもあります。妊娠も出産も自己責任だと言われてしまったら、かえす言葉もありませんが、少子化が進んでいる今は社会全体で妊娠や出産を考えたいものです。

出生前診断を受ける受けないや、検査内容に対して考える前に、頑張って産まれた染色体異常の赤ちゃんに対して社会がもっと受け入れてあげることができないか、そんなことも考えてほしいと願っています。

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2013・4・2 e-妊娠、みみいペン


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