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卵子凍結にみる妊娠事情

日本生殖学会は、9月13日に卵子凍結をめぐるガイドラインをまとめました。ガイドラインでは未婚女性も採卵して卵子凍結ができる、卵子凍結したものは本人しか使うことができないなど「妊活」ならぬ「卵活」に注目が集まっています。

卵子凍結とは

孵化中杯盤胞

卵子凍結とは、妊娠以前に卵子を採卵して冷凍保存しておくことです。女性が生殖細胞に影響を及ぼすかもしれない放射線治療や化学療法を受ける前に、自身の卵子を採卵し冷凍保存して、子宮内が良好な時期がきたら再び体内に戻します。

健康状態などを確認したうえで病院で行います。自費なので病院によって費用に誤差がありますが80万円近くするとも言われていて、そう簡単に決めて実行できることではありません。

海外では未婚者も含む女性の卵子冷凍保存は、ごく当たり前の国もあります。でも、今までの日本では明確なガイドラインがなく、興味のある人しかわからない世界でした。

今回はガイドラインが考えられることでニュースにも取り上げられ、卵子冷凍保存が広く知られるきっかけになりました。同時に様々な賛否両論の意見も挙がっています。

丸写真:凍結卵子、体外受精体験談から

出産と年齢

不妊治療をしている人や、妊娠を考えている人にとって年齢は大きな壁です。自然に生命を授かることを希望していても、理想通りにはいかないのが現実です。

女性に出産において、日本産婦人科学会は「35歳の初産婦」を高齢出産と定義しています。高齢出産になると生殖機能や母体の体力面においてもリスクが高くなると言われています。ここが妊娠を考えている女性にとっては、とても不安なことです。

「リスクを負っても出産したい」という強い気持ちの裏には、「親の希望でリスクを負う可能性が高い赤ちゃんを産むことが、はたして母親として良いことなのだろうか」と葛藤することもあるのです。

このリスクを負う原因の一つに生殖機能の低下があるとも考えられています。誰もが当てはまるわけではありませんが、もしも当てはまるなら、それだけで妊娠の可能性が低くなってしまうのは残念なことです。

卵子凍結保存に限った事ではありませんが、こうした年齢を原因に妊娠・出産を諦める女性にとって新たな選択肢が増えることを願っています。

妊娠・出産のかたち

妊活私たちの周囲には「妊娠や出産は、結婚を前提または結婚後としたもの」だという風潮があります。つまり結婚する前から妊娠や出産のことを考えて行動することは、あまり「当たり前」になっていないのが現状です。

本当は妊娠も出産も自由に考えていいことなのに、なぜか「未婚」「既婚」という世間体が邪魔をしているようにも思えます。

だから、たまたま婚期が遅れた女性は、急いで妊娠・出産について考えたり行動に移さなければいけなくなります。ところが、そんな姿を周囲は「すごく焦っている」「妊娠に対してムキになっている」なんてマイナスイメージで揶揄する人までいます。

妊娠・出産のかたちは、「どんな妊婦生活を送るか」「どんな出産スタイルにするか」など、妊娠後のことばかりではありません。「どうやって妊娠と向き合うか」から始まっているのだと考えたいものです。

独身女性も容認する内容

今回のガイドラインは既婚女性に限定していないことから、独身女性の卵子凍結も容認したかたちになっています。

ガイドラインは、妊娠することや出産することの決断や時期も本人に委ねるといった内容で、あくまでも道しるべになってるだけで強制力や「こうするべきだ」といった指示は含まれていません。

個人的には、独身女性の卵子凍結が良いか悪いかということよりも、妊娠のかたちが広がっていること、妊娠への可能性や選択肢が広がっていることを実感しました。

卵子凍結に限らず、妊娠や出産を経験したいと望んでいる女性にとって、新たな希望や選択肢がうまれることはとても貴重なことなのです。

卵子凍結がこの先、妊娠への1つのプロセスとして固定されるのか、妊娠率やリスク、世間の反応も含めて興味深く見守っていきたいです。

参考1:一般社団法人日本生殖学会・・・ホームページの9月13日"「未受精卵子および卵巣組織の凍結・保存ガイドライン(案)」へのご意見募集について"お知らせリンクから、「未受精卵子および卵巣組織の凍結・保存ガイドライン」のPDFがあるページに移動できます。

2013・10・29 e-妊娠、みみいペン


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