妊娠中のアレルギー

アレルギーとは何だろう?

どうしてアレルギー症状が出るのでしょうか。まず免疫機能の働きについてお話します。

もともと、私たちの体には「外部から何か」が侵入しようとすると、侵入を防いだり邪魔をする働きがあります。

たとえば、ほこりっぽい場所を掃除していると、鼻にホコリがフワッと入ってしまうこともあります。鼻の中では、そのホコリを「外部からの何か」だと判別して、外に出そうとします。これがくしゃみや鼻水といった症状であらわれます。

ホコリが目にはいって涙を流すのは、目がホコリを洗い流そうとしているからです。風邪や鼻トラブルもないのに、ホコリでくしゃみ鼻水が出るのは、ホコリを鼻から外に出そうとするからです。

このような体本来が発動する、侵入者に対抗する働きを免疫(めんえき)と呼びます。

免疫

免疫は持っているほうが健康につながります。たとえば風邪やインフルエンザのウイルスが流行しているときは、免疫機能が働くほどウイルスを追い出す働きがあります。

掃除のときにホコリでくしゃみをするのは本来もっている免疫機能が働いているだけです。くしゃみが1回出たからと言ってアレルギー症状とは言えません。

アレルギー症状は、「外部からの何か」の侵入に免疫機能が過剰に反応して、悪いものを追い出すだけではなく体にとって好ましくない症状まで引き起こしてしまいます。

最初からもっている防衛機能が「免疫」、それが過剰に強化されて反応してしまうのが「アレルギー」というわけです。

体に異物を侵入させないのは助かりますが、くしゃみや鼻水、目の充血や、嘔吐、じんましんなど異物を追い出すだけではなく症状で悩んでしまうことも多いのが、アレルギーの困ったところです。

アレルギー物質は人それぞれ

アレルギー症状がおこる物質はホコリだけに限りません。人によって様々な物質が対象になります。ホコリに反応する人もいれば、猫のフケやダニ、花粉、食べものなど人それぞれ特定のものに反応します。

だから「アレルギーがある」と言っても、「何にアレルギー反応するか」「どんな症状がでてしまうのか」は人それぞれ違います。

なかでも花粉にアレルギー反応する人は、花粉症と呼ばれますが、実はアレルギー反応を起こす時期や花粉の種類は人それぞれ異なります。

日本ではスギ花粉に反応して2月~4月までアレルギー症状が目立つ人が多いのですが、その時期はなんの症状もでない人が、秋になってブタクサに過剰反応してアレルギー症状に悩んだりします。

妊娠中もアレルギーに悩む

妊婦

免疫という機能に注目してください。妊娠中は赤ちゃんや赤ちゃんの成長に必要なものを異物と判断しないように、体内の免疫力が低下すると考えられています。

赤ちゃんを育てる妊婦の体としては当然の措置ですが、免疫力を抑えているので他のアレルギー物質にも抵抗力が控えめになってしまいます。だからアレルギー症状が、普段よりも強くでてしまう人もいます。

たとえば食物アレルギーのある妊婦さんは、「絶対に食べたほうが赤ちゃんに良い!」と勧められる食材でもアレルギーのために食べることができない場合があります。

食物だけではありません。花粉のアレルギーで花粉症の妊婦さんは「お腹に力が入るからくしゃみはダメ」と思っていても、花粉飛散の強い日のくしゃみを完全に止めるのは至難のわざです。

妊娠中だからアレルギーを抑えたい気持ちをもった妊婦さんは沢山いますが、現実的には妊娠中もアレルギー症状を上手にセーブしながら乗りきることが求められます。

人によっては軽度のアレルギーが、妊娠をきっかけに症状をより強く感じるようになるケースもあり、妊娠中もアレルギーとは切りたくても切れない縁だと言えます。

妊婦のアレルギー治療

妊娠中もアレルギーがでてしまったら、症状を抑えたり緩和するしかありません。さらに妊娠しているとわかった時点で、アレルギーに対する治療は見直すことが必要です。

妊娠中にアレルギー治療ができなくなるとは限らないので、赤ちゃんの成長と母体の健康を優先したアレルギー対策が求められます。

継続している治療方法や治療薬がどんなに自分の体に合っていても、妊婦になったら「その薬が胎児に安全で、影響を及ぼすことがないか」というチェック項目が加わります。

アレルギー治療の判断は、医師に相談します。赤ちゃんに影響のでる可能性がある薬や治療方法は除外されます。

アレルギーに関する噂や周囲の人がどうしているのかも気になりますが、薬や治療方法はそれぞれの体に適した方法が選ばれているので、誰かとまったく同じとは限りません。

親切で「アレルギーに効果的だから」と薬をわけてもらうことも危険です。薬はその人だけに処方されるものなので、赤ちゃんへの影響や妊娠中の母体への影響が心配です。

信頼している治療方法や薬、継続しやすいアレルギー対策が妊娠中も可能かどうか、必ず各自で医師に確認してください。





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