帝王切開の主な流れ

帝王切開で出産するとき、どんな流れで進むのかを一例をあげて説明します。病院や母子の健康状態によって処置内容に違いがありますが、手術の流れを知ることで不安を取りのぞきましょう。

同意書と説明

赤ちゃん妊娠中の経過で帝王切開が適切だと判断されたとき、なぜ帝王切開で出産することになるのか、母体と赤ちゃんにとって影響があるのか説明を受けます。

母体に関しては、麻酔を使用するので副作用について、手術中の出血多量時の対応について、手術後の癒着など合併症について説明を受けます。

もしも本人の強い希望で帝王切開を拒否した場合は、母子にどんなリスクがあるのかも説明を受けることができます。

予定帝王切開の場合は、あらかじめ本人以外の同意も求められます。そのため説明には本人だけではなく、パートナーや家族の立ち会いも可能です。大切な出産なので同意書はしっかり読んで記入、わからないことや不安はこの時点で伝えることがベストです。

手術予定日の決定

手術予定日は病院側の準備や医師のスケジュールも考慮して決めるので、希望した日に手術できるとは限りません。

予定日が決まったら、1週間ほど前に血液検査で血液の凝固状態を確認したり心電図、呼吸に異常がないか調べます。どの検査もお腹の赤ちゃんに悪影響は及ぼす検査ではないので、しっかり受けてください。

前日に入院

手術予定日前日に入院します。母体の状態によってはもう少し早くから入院するケースもあります。

エコー検査、心電図や血圧測定で手術前の確認をします。夕食後は、手術がスムーズに進むように剃毛と浣腸も行われるます。これ以降は手術が終了するまで胃を空にするために飲食禁止になります。

当日、手術室へ

消毒

手術が始まる前に、手術をする部位と周辺を消毒します。麻酔を使用するため、横向きになって腰から背中にかけても消毒します。

麻酔

帝王切開の麻酔は、腰椎麻酔(ようついますい)が一般的です。腰痛麻酔の場合は下半身を中心に麻酔の効果があるので部分麻酔となります。部分麻酔の場合は、母体の意識はあるので赤ちゃんの産声を聞くことができます。

病院によっては長時間手術にも対応できる硬膜外麻酔を使用するケースもあります。母体の状態とあわせて、医師が判断しています。

緊急帝王切開になった場合は、母子の生命の危険から時間がないと判断して全身麻酔を使用するケースもあります。

腹部の切開

麻酔の効きめを確認したあと、腹部を切開します。切開方法は縦切開と横切開の2種類です。腹膜をハサミで切って、子宮の下部を横に切って赤ちゃんを取りだします。緊急帝王切開の場合は子宮をT字に切ることもあるそうです。

気になる切開の大きさですが、経膣分娩と同じように赤ちゃんの頭をだすことが重要なので10センチほど切開すると考えてください。

赤ちゃんの誕生

切開した部分から、赤ちゃんを取りだします。このとき、赤ちゃんを包んでいる膜を破り、羊水や血液は吸引します。

そのあと赤ちゃんを包んでいた卵膜や胎盤を取りだします。自然分娩の場合は、胎盤は赤ちゃんのあとで出てきますが帝王切開の場合は、手術時に取りだします。胎盤を取りだすことで、母体は「赤ちゃんを出産した」とわかって子宮収縮を始めます。

個人差はありますが、切開から誕生までの手術時間が5~10分とも言われています。ただし、子宮を切開するときは赤ちゃんを傷付けないように細心の注意が払われるので、けっして簡単な手術ではないのです。切開する部分も出血の少ない部位で行われています。

腹部の縫合

赤ちゃんを取りだしたあと、子宮の切開部分を出血予防のために縫合します。子宮の縫合は溶ける糸で縫合されます。体内で溶けてしまうといっても数時間で溶けるわけではなく、何ヶ月もかけて溶けるので子宮はちゃんと縫合されます。

子宮の状態を確認して問題がなければ、腹膜・筋膜・皮下脂肪のあと皮膚を縫合します。表面の皮膚は縫合したり医療ホチキス(ステープラー)で止めたり、病院によって対処が違うようです。

手術中になんらかの対処が必要な場合は予定よりも時間がかかることもありますが、手術室にはいってから縫合が終わるまでは1時間程度だと考えてください。

経過観察

手術後すぐには病室に移動できません。看護師や医師のもとで出血や血圧、心拍数などをチェックして様子を見ます。

出血のために貧血がおきたり、麻酔の副作用がでる場合もあるので体調が優れない状況はすぐ伝えてください。




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