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PCOSと診断されたら(基礎知識)

PCO(多嚢胞性卵巣症候群)とは卵胞が嚢胞性変化を起こし排卵しにくくなる障害です。ここでは始めてPCOという言葉を聞いた人のために、妊娠成立までの順番を含めて簡単に説明をしています。

Polycystic ovary syndrome

妊娠するためにはまず行為をもつことが必要で、そして精子と卵子が出会うことが第1歩となります。精子と卵子が1つになったものを受精卵といい、この時点で妊娠の半分くらいが成立したといえるでしょう。

受精卵は自分が元気よく育つために広いスペースまで移動します。この場所こそが子宮で、そこに根を生やすことを着床といい、この時点で妊娠が成立したと定義されます。

この妊娠までの過程のなかで、何かしらの障害があると不妊の原因となることがあります。まず「行為を持つ」といっても、レスであったり男性がうまく勃起しない、あるいは射精できないこともあります。

また精子に異常があることもあります。男性不妊と呼ばれるものは不妊原因の半数近くと言われ、このような場合には人工授精や体外受精といった治療法が選択されるケースが多くなります。

このように妊娠には男性の元気のいい精子が必要となります。そしてここからが肝心なのですが、もちろん女性側にも元気のいい卵子が必要になるのです。

卵子は卵胞(らんぽう)と呼ばれる殻の中に存在しています。卵胞が元気に成長することによって、その中で質のいい卵子が出来上がります。そして質のいい卵子が出来上がれば、いよいよ殻を壊して精子を探しに行くのです。

この卵胞の殻を壊して卵子が外に飛び出ることを「排卵」と呼びます。排卵日付近に行為を持てば妊娠の確率がグッと高くなることは、皆さんもご存知のことでしょう。

排卵

不妊治療ガイダンス第3版から引用

排卵についての説明をもう少し詳しく続けていきます。卵胞はブドウの実のようなもので、中には水分を含み外には皮をつけています。そして卵子はブドウの実の種のような存在です。

月経開始時には卵巣内に、5ミリ程度のブドウの実(卵胞)が数個存在しています。しかしこのブドウの実は、排卵に向けて一気に成長するわけではありません。これは次のようなホルモン作用が働くからです。

排卵前には卵胞の成長を助けようと、脳からFSH(卵胞刺激ホルモン)というホルモンが分泌されます。このFSHに1番早く反応した卵胞が、まず成長を始めます。(主席卵胞)

そしてこの主席卵胞はエストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンを自ら分泌するようになります。エストロゲンはFSHを抑制する働きがあり、他の卵胞の発育を抑えて変性させてしまうのです。

そうすることによって主席卵胞は、「視床下部-下垂体-卵巣」というホルモン分泌の関係を上手に保つようになります。そして自らは排卵に向けて、元気よく成長していくことになります。

つまり排卵するためには、ブドウの実は1つが望ましいのです。たくさんのブドウの実があると個々に栄養を奪い合ってしまい、結局は質のいい実が育ちません。

PCO(多嚢胞性卵巣)

PCO(多嚢胞性卵巣)とは、このブドウの実が慢性的にたくさん存在してしまう疾患です。卵胞はたくさん存在しているのに、卵胞が大きくならずに排卵しないことがあります。

しかしPCOと診断されても、そのほとんどは軽度なものが多いでしょう。そして治療をしていくことで排卵することが可能です。PCOでは排卵さえしてしまえば、決して妊娠までは遠くはないはずです。

関連不妊用語

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