春の妊娠うつに注意

妊娠うつとは、妊娠期間中におこる鬱症状です。ほとんどは1~2週間で落ち着きますが、産後まで続いたり、育児中に再発することもあります。

妊娠中はホルモン変化が目立ち、精神的にも影響を受けやすいと考えられています。さらに妊娠したことで仕事内容が変わったり、日中1人で過ごす時間が増えたりとライフスタイルの変化も影響しています。

妊娠中のうつ症状を「マタニティーブルー」「マタニティーブルース」とも呼び、けっして珍しい症状ではありません。世界中の妊婦さんが経験している症状の1つなのです。日本では妊娠うつを隠したがる傾向も見られます。

うつ発症の仕組み

春は妊娠うつの症状があらわれやすい季節です。もともと私たちの体には交感神経(こうかんしんけい)と副交感神経(ふくこうかんしんけい)という2つの自立神経(じりつしんけい)があります。

妊娠うつ

自律神経は自分では自在にコントロールできない神経なので、変化があっても自分で調節することは困難です。バランスが崩れると、うつや自律神経失調症におちいります。

簡単に区別するなら、交感神経は活発に活動するための神経で、副交感神経はリラックスして休息するための神経です。

交感神経が活発化して体を温めたり、物事に積極的に取り組もうと頑張ります。そして、通常ならばその後は副交感神経が優位になって休息やリラックスを優先するように働きかけます。これが2つの神経のバランスです。

ところが、バランスが崩れて交感神経の頑張る気持だけが急いてしまい、副交感神経の休息モードが働かない状態になってしまうのです。だから頑張っても頑張っても疲れるだけになりがちです。

春にうつ症状が悪化する原因

妊婦に限りませんが、春はうつ症状が悪化しやすい時期です。日本人は3月、4月で会社や学校など身の回りに変化が起こりやすいことが影響しています。

妊娠中は春の人事をきっかけに産休に入るケースや、自分ではなくパートナーの仕事の変化があると、もともと妊娠で崩れやすいホルモンバランスも影響して余計に精神的な疲労をつくってしまいます。

ポカポカ陽気で眠くなることから、うつ症状が悪化するとも思われがちですが、実際のところは身の周りの変化に対応しきれずに精神的ダメージが目立ってしまうことが問題です。

こんな気持ちは要注意

妊娠うつ

妊婦が春にこんな気持ちを感じたら、妊婦のうつ症状のきっかけかもしれないと注意してください。

取り残された気分

春は様々なことがスタートする時期でもありますが、「妊婦である自分はキャリアや挑戦を一時休止しなければいけない」「職場の新しいスタート地点に自分はいない」といった変化が疎外感に感じることもあるのです。

本当は取り残されたわけではなく、後から追いつけるし仲間に入ることも可能ですが、うつ症状がはいると楽観的に将来を見ることができなくなります。

取り残された気持ちは、さみしさや孤独感を増加させます。何事にも挑戦する気持ちが減ってしまったり、キャリアアップさせている人が順調に見えて自分は脱落したかのように見えてしまいます。

パートナーとのすれ違いが気になる

春はパートナーや家族の環境変化を支える気持ちがあるものの、妊娠中の自分に寄り添ってほしいのも本音です。

新しい仕事や部署、新しい仲間や環境に疲れながらも挑戦する姿が、妊婦である自分を二の次にしているようでイライラします。

自分の話しを聞いてもらえる時間が減ってしまうと、妊婦とお腹の赤ちゃんが放っておかれているような悲しい気持にもなってしまいます。

花粉症が酷すぎる

意外かもしれませんが花粉症から、軽度のうつ症状になってしまうことがあります。花粉症は風邪と違って、ウイルスを消滅させれば完治するよう病気ではありません。アレルギー症状の原因となる花粉があれば何度でも発症します。

こんな厄介な花粉症状に悩まされて不眠や、なかなかリラックスできない日々が続いてしまうと疲労もたまります。

さらに妊婦は、花粉症状の咳やくしゃみが、お腹の赤ちゃんに影響していないか心配して心労も重なっていきます。自分の花粉症のせいで赤ちゃんにストレスが伝わったり、成長の妨げをつくることが心配だからです。

このようなストレスが毎日重なって、いつのまにか妊娠うつになっているケースも見逃せません。

眠っても寝たりない

どんなに眠っても寝足りないのが妊娠症状の1つです。さらに春はポカポカ陽気も手伝って、気持ちがリラックスしてウトウトしてしまうものです。

妊娠うつ

そんな自分を「なまけている妊婦」だと思ってしまうと、自責の念が強くなってどうしようもなくなります。

妊娠中は眠くなるのに、眠ってばかりの自分は情けないと自分に厳しい人、真面目な人ほどうつ症状に移行しがちです。

春にうつ病だと思ったら

春を迎えて、妊娠うつだと思ったら、ひきしめているベルトを緩めるような気持ちになってください。

春は新しいことが始まる季節です。思わず怠けないようにと気を引き締めたくなりますが、引き締めてばかりでは息苦しくなるものです。

誰にも話を聞いてもらえないことはストレスです。これは我慢する必要はありません。病院で相談したり、ノートに書きだすだけでも心が少し軽くなります。






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