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黄体機能不全

Luteal phase defect

基礎体温を付け始めると、お手本どおりのグラフにならないことも多いでしょう。そんなときに初めて「黄体機能不全」という言葉を聞くかもしれません。

黄体機能不全を簡単に言うならば、妊娠するために体の準備が整っていないことです。

女性の体は常に妊娠できるようにと、女性ホルモンによってコントロールされています。それは約2週間かけて卵子を排卵させ、そして「妊娠」が成立しないと再び生理を起こし次の周期に向けてリセットするのです。

これが「月経周期」で妊娠するためには、月経開始から排卵までは「よりいい卵を育て」、そして排卵から高温期前半では「妊娠を待ち構えている状態」でなければなりません。

これらの準備が不完全なとき、すなわち「卵胞発育不全」「子宮内膜感受性低下」などを伴うときに黄体機能不全を疑われます。


基礎体温表
*受精卵が着床しなければ高温期を維持できずに生理になる

黄体機能不全の診断基準

  • 高温期の持続 9日以内
  • 高低の温度差 0.3度以内
  • 子宮内膜の厚さ 8mm以内
  • プロゲステロン 10ng/ml未満
*この範囲より厳しく診断される場合もある

黄体ホルモン(プロゲステロン) Progesterone

女性のからだには、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)が、大きく作用しています。

この2つの女性ホルモンのうち、基礎体温を高温状態にするのが黄体ホルモンです。黄体ホルモンは成熟した卵子が排卵された後の、残された卵胞が「黄体化」して分泌されるようになります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用は、子宮内膜の状態を柔らかく厚くして(フカフカのベッドと言われる)、受精卵が着床しやすい状態にしてくれます。

しかしこの黄体ホルモンの分泌が少ないと、子宮内膜が薄かったり(着床しにくい)、高温期が短かったり、高低の温度差がなかったりします。(卵が成熟していない、排卵障害)

この黄体ホルモンの分泌が少ない状態を黄体機能不全と言い、隠れた不妊症の原因として取り上げることができるのです。

黄体機能不全の原因

  • FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌低下
  • LH(黄体形成ホルモン)の分泌低下
  • 子宮内膜の感受性低下

黄体機能不全の原因は、卵胞期のFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌低下に基づく卵胞の発育不全が考えられます。

卵は「排卵さえすればいい」というものではありません。やはり「質のよさ」が関係していて、FSHの刺激によって卵胞は元気よく、そして質の高い状態をキープできるようになります。

その他にも排卵期のLH(黄体形成ホルモン)の分泌低下や、子宮内膜と黄体ホルモンの感受性の悪さが考えられます。

排卵のきっかけはLHが大量に分泌される、「LHサージ」という現象によって起こります。しかしLHの分泌が低下していると「LHサージ」が不完全で、結果的に「黄体機能不全」に関係してしまうことがあります。

また子宮内膜と黄体ホルモンの感受性の悪さということもあります。受精卵が着床するためには、子宮内膜が肥厚した(フカフカのベッド)状態でなければなりません。

しかし黄体ホルモンは正常に分泌されているものの、どこかの過程で内分泌異常が起こり、子宮内膜がうまく肥厚してくれないこともあるのです。

プロゲステロン値を調べる検査

ホルモン検査

高温期の中間(7日目)辺りに、採血してプロゲステロン値を測定します。

子宮内膜日付診

高温期の中間(7日目)辺りに、子宮内膜の1部を採って、細胞の育ち具合を顕微鏡で見ます。

黄体機能不全の治療法

黄体機能不全は不妊原因の1つではありますが、いくつかの治療を行なっていくことで決して妊娠までは遠くはないはずです。もし「黄体機能不全」と診断されても、排卵誘発剤や黄体ホルモン剤を服用することで短い周期で妊娠する人も多いでしょう。

黄体機能不全の治療では、その症状や程度によって医師が下記の治療法を選んでいきます。1つの場合もあれば、いくつも併用する場合もあります。

基本的な考え方としては、卵胞の発育過程に問題がある卵胞発育不全の場合は、排卵前に「クロミフェン」を服用して卵胞の成熟を促します。

排卵前の治療

クロミフェン(排卵誘発剤)

  • クロミッド
  • フェミロン
  • セロフェン
  • オリフェン
  • スパクロミン
  • セキソビット(シクロフェニル)

排卵誘発剤をその人の卵の成熟にあわせて、生理開始後5日目から5日間服用します。(いろいろなパターンがある、例えばセキソビットでは3日目から7日間服用など)

*個人差もありますが排卵誘発剤には「子宮頸管粘液が少なくなる」「子宮内膜が厚くならない」という副作用が起こることがあります。多胎率2〜5%

排卵期、排卵後の治療

hCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)

hCGを排卵期や排卵後に2〜3日おき(2、3回)に注射して、黄体機能の維持をはかる。

プロゲステロン(飲み薬、注射)

黄体期にプロゲステロン(黄体ホルモンを補う薬)を投与して、黄体機能の維持をはかる。(通常は内服)

  • ルトラール
  • プロゲストン
  • プロベラ
  • ノアルテン
  • プリモルトN
  • デュファストン

黄体機能の自己改善

黄体機能不全は「冷え対策」「生活改善」「ストレス発散」などで自ら治療できる場合もあり、また漢方の周期療法も効果がある場合があります。

黄体機能の正常な人に対して、黄体機能不全と同様な治療をしても妊娠率の向上は見られないため、正確な黄体機能不全の診断が必要になります。

黄体機能不全だと妊娠できませんか?

そんなことはありません。妊娠しにくいことは事実ですが、「妊娠したい掲示板」には毎回の高温期が「長くても1週間程度」しかない人の妊娠報告がありました。(不妊治療はしていません)

*妊娠を望むときは治療していくことを勧めます



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