基礎体温と不妊ストレス

妊娠を望んでいる多くの人は、基礎体温測定をしています。しかし不妊ストレスの中には「赤ちゃんを授かれない」ほかにも、「基礎体温が自分の思うようなグラフにならない」ことでイライラしてしまうことが多いようです。

それもそのはずです。基礎体温を正確に測定したいために夜更かしをやめて好きなお酒も控えたり、部屋の気温や薬などにも気を使う人もいるでしょう。またゆっくり寝ていられる日でも同じ時間に測りたいために、とりあえず早起きして測定している人がほとんどです。

では何故、妊娠を望む人は基礎体温測定が必要なのでしょうか?そうまでして「お手本のような体温表」になることが妊娠への近道なのでしょうか?

基礎体温の価値

基礎体温は、排卵の有無や排卵日の予測、黄体機能不全などを判断するのに有効なのです。その他にも医師はタイミング指導やフーナーテスト、ホルモン検査や人工授精実施日の目安にもします。

しかしこれらは、あくまで後方視野的(出来上がったグラフ)に判断するもので、前方視野的に見れば大まかにしか意味がありません。

もうすぐ来るであろう排卵日を予測するのに、過去の基礎体温表と現在のものを見比べてタイミングを取る日を決めるのはいいことでしょう。しかしひとたび高温期に入ってしまえば、自分ではもちろん医師にだってもうどうすることも出来ないのです。

いつもより高温期の体温が高ければ妊娠のチャンスでしょうか?
高温期中に体温が少し下がると妊娠の確率は低くなるのでしょうか?
いつもより体温が低いと妊娠できないのでしょうか?

どれもこれも臨床的に証明が乏しい、気休め程度の妊孕性の変化しかありません。そんなことよりも神経質になりすぎて、ホルモンに影響が出るほうがよっぽど危険なのです。(これらの答えはよくある質問に載せています)

基礎体温表がしっかりすれば妊娠ではありませんし、そんなときに生理が来て「すべてばっちりだったのに、私は妊娠できるのかしら?」と思うのは少々馬鹿げていることなのです。

残念なことに、妊娠の確率はそれほど高くはありません。
(問題がなくても20%前後)

不妊原因を持っていれば10%をきるという報告もあります。

「妊娠する」ということは、この低い確率を引き当てる「運」的な要素も含まれています。基礎体温に神経を使うのは、この「運」的要素と比べればほとんど意味がないことなのです。

人の基礎体温表と比べない

妊娠した人と同じ基礎体温表になれば、妊娠できるわけではありません。また人より体温が低いことが妊娠の確率を下げることもありません。基礎体温で大切なことは排卵の有無を確認することと、黄体機能不全を否定していることです。

中休みも必要

基礎体温を測ることに強いストレスを感じていたら、思い切って1~2ヶ月休むことを勧めます。今までずっと測り続けてきた人は「妊娠の確率が下がるのでは?」と不安に感じるかもしれません。

しかし定期的に夫婦生活が持てているなら妊孕性は下がりません。むしろ今まで排卵日を狙い撃ちしていた人は、自分の思い込みで排卵日を勘違いしていたかもしれません。(排卵日は医師だって特定するのが難しい)

義務的な夫婦生活が解消されれば、夫婦ともにきっとリラックスできるでしょう。そしてこの期間に妊娠する人だって本当に多いのです。




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